CANON EOS 5D Mark4、6D Mark2、6D(Mark1)の徹底比較です。
発表されたばかりのCANON EOS 6D Mark2と旧機種のEOS 6D(Mark 1)、上位機種のEOS 5D Mark4の3機種を比較します。
CANON EOS 6D Mark2は2017年8月発売(予定)、EOS 6D(初代)は2012年11月、EOS 5D Mark4は2016年9月に発売されています。
初代6Dの発売から約5年で後継機が発表されましたが、新旧の機種と昨年発売された上位機種のMark4と何が違うのかを検証していきたいと思います。
6DシリーズはCANONのデジタル一眼レフのラインナップではミドルクラスの機種で、35㎜フルサイズセンサーを搭載した機種の中では一番ローエンドに位置するカメラとなります。
5Dシリーズは、フラグシップ機の1D Xシリーズの下位に位置して、ハイエンド寄りの中級機といった立場の機種です。
■CANON EOS 5D Mark4、6D Mark2、6Dスペック表
5D4 | 6D2 | 6D | |
画素数 | 3040万 | 2620万 | 2020万 |
オートフォーカス | 61点 | 45点 | 11点 |
ファインダー | ペンタプリズム 視野率100%、倍率0.71倍 |
ペンタプリズム 視野率98%、倍率0.71倍 |
ペンタプリズム 視野率97%、倍率0.71倍 |
露出制御 | 約15万画素252分割測光 | 7560画素63分割測光 | 63分割測光 |
シャッター | 1/8000~30秒 | 1/4000~30秒 | 1/4000~30秒 |
ストロボ同調速度 | 1/200秒 | 1/180秒 | 1/180秒 |
連写速度 | 7コマ/秒 | 6.5コマ/秒 | 4.5コマ/秒 |
連続撮影枚数 | JPEG(L)110枚 | JPEG(L)110枚 | JPEG(L)73枚 |
記録メディア | CF/SD | SD | SD |
常用ISO感度 | 100~32000 | 100~40000 | 100~25600 |
画像処理 | DIGIC 6+ | DIGIC 7 | DIGIC 5+ |
ライブビュー | Dual Pixel CMOS AF | Dual Pixel CMOS AF | コントラストAF |
動画撮影 | 4K 30fps等 | Full HD60fps等 | Full HD30fps等 |
動画露出制御 | 自動、マニュアル シャッター優先、絞り優先 |
自動、マニュアル | 自動、マニュアル |
動画形式 | MP4(MPEG4) | MP4(MPEG4) | MOV(MPEG4) |
液晶 | タッチ対応3.2型 固定 |
タッチ対応3型 バリアングル |
タッチ非対応3型 固定 |
無線LAN/Wifi | ○ | ○ | ○ |
端子 | USB3.0、HDMI、マイク シンクロソケット、ヘッドフォン |
USB2.0、HDMI、マイク | USB2.0、HDMI、マイク |
バッテリー | LP-E6N/LP-E6 写真900枚 動画1時間30分 |
LP-E6N/LP-E6 写真1200枚 動画2時間40分 |
LP-E6 写真1090枚 動画1時間35分 |
重さ・大きさ (幅/高さ/奥行) |
890g 150.7/116.4/75.9 |
765g 144/110.5/74.8 |
755g 144.5/110.5/71.2 |
■CANON EOS 5D Mark4、6D Mark2、6Dの相違点
EOS 5D Mark4のAFはEOS 1D X Mark2譲りの61点レティクルAF。
6Dは11点なのに対して、6D2は45点AFになりました。
恐らくEOS 80Dに最初に搭載されたものを使用しているのではないかと思います。
また、Mark4はF2.8に対応した高精度のAFポイントが5点と多く、6D Mark2では中央の1点のみとなっています。
最高シャッター速度が5Dが1/8000秒。
6D、6D2では1/4000秒となっています。
ピーカンの屋外で絞りを開けて撮影する際は影響が出るかもしれません。
5D4の連写は7コマ/秒。
6Dは4.5コマで、6D2は6.5コマ/秒まで性能が上がりましたから、かなりの進化といえます。
3000万画素の5D4に対して、2600万画素の6D2は同等の連続撮影枚数を実現しています。
DSPの処理速度が遅くなっているのか、搭載しているメモリー容量が減っているという感じでしょうか。
6D2の常用感度の上限がISO40000へ。
新開発の2600万画素CMOSセンサーとDigic7の組み合わせで、5D4のISO32000よりも上になっています。
5D4のノイズはISO3200までは全く気になりませんから、6D2はもう少し上まで使用出来るのかもしれません。
6D2もようやくデュアルピクセルCMOSの搭載へ。
EOS 70Dで初めて搭載された、撮像センサーで高速なAFに対応したデュアルピクセルCMOSが搭載され、安定したライブビューと動画の撮影が6Dでも実現しました。
通常の機能で4K動画に対応しているのは5D4だけですが、6D2でもタイムラプス動画時に4K対応になっています。
動画撮影時の露出制御を見ても、5Dの方が動画撮影には向いているようです。
(Mark4の4K動画は中央クロップになります)
6D2では下位機種の80Dなどと同様にタッチ対応のバリアングル液晶となりました。
ハイアングル、ローアングル時に自由にモニタを回転して撮影できるので、使い勝手が上がりました。
大幅に増えたのが6D2の撮影枚数と動画撮影時間。
5Dが900枚、1時間30分なのに対して、6D2は写真1200枚、動画2時間40分となっています。
CMOSセンサーとDSP側の消費電力をかなりセーブできているのか、同じ電源を使用していながら、6D2の撮影枚数と撮影時間が増えています。
ただ、ライブビュー時には光学ファインダーを使用したときに比べると、1/3位の撮影枚数になっているので、Dual Pixel CMOS AFはかなり電力を喰っているようです。
操作性はEOS 5D Mark4が一段上と言えます。特にAFポイントの選択にマルチコントローラーが非常に便利です。選択したいポイントを直感的に選べる便利さがかなりいいです。
ボディの素材はMark4、6D(初代)はマグネシウム合金製に対して、6D Mark2は樹脂製のボディになっています。当然、マグネシウム合金製の方が衝撃に対しての耐久性という面で見れば強くなります。
また、3機種とも主要部分にはシーリングが施され、防塵防滴性能を有しています。
■CANON EOS 5D Mark4、6D Mark2、6Dのまとめ
カメラに対して何を求めるかによりますが、6D2の性能アップが著しく、5D4に迫る性能になっています。AFや最高シャッター速度、操作性などは5D4の方が優れていますが、その辺が気にならないなら6D2でも十分に使えると思います。
逆にバリアングル液晶や撮影枚数(バッテリーの持ち)、高感度の対応を考えると5D4には無い利便性と性能が6D2にはあるようです。
従来の中級機である70Dや80Dから6Dに買い替えるというのであれば、連写速度が落ちてしまうので買い替えを躊躇していた方にも、6.5コマ/秒の連写であれば十分ステップアップとして買い替えを検討できるカメラになったと思います。
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