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RAW現像用の液晶モニター選び

RAW現像用液晶モニター

LightroomなどでRAW現像をする際に一番重要な要素として正確な色味での確認というのがあります。
現像処理をして、正確でない色味のモニターで現像してしまうと、仕上がった写真の色味がくるってしまいます。
ここでは、RAW現像時に使用するモニターについて取り上げてみたいと思います。

 

グラフィックやDTP、写真などの処理をする際に以前から発色の確かさから定評のあるメーカーとして、EIZO(ナナオ)のモニターがあります。
正式な社名はEIZO株式会社で、旧社名が株式会社ナナオなので、昔からPCをやってる方には、ナナオの方が馴染みがあるかもしれません。
EIZOのモニターは、他のメーカー製の物に比べるとちょっとお高いんですが、色味に関しては出荷時にしっかりとキャリブレーションを行ってから出荷しているそうで、比較的正確な色味なのが特徴です。

 

安定のEIZO ColorEdgeシリーズ

グラフィック用途ではEIZOのColorEdgeシリーズが有名で、入門向けでsRGBの発色に対応したColorEdge CS230(23インチ)やAdobe RGBにも対応したColorEdge CS2420(24インチ)、Adobe RGB対応でより高解像度にも対応したColorEdge CS2730(27インチ)等、いくつかのラインナップが有ります。
ColorEdge CS230は入門向けのスペックではありますが、5.5~6万円前後、ColorEdge CS2420も8.5~9万円前後と1~2万円台の低価格のモニターに比べてしまうとちょっとお高く感じます。

EIZOのColorEdgeシリーズはsRGBやAdobe RGBの発色に対応していて、通常の8bitの発色より色域の10bitに対応しています。
より広諧調で滑らかな描画が特徴となります。
また、工場でしっかりとキャリブレショーンされて出荷されるので、発色がずれていることがありません。
ハードウェアキャリブレショーンにも対応していて、時間が経って経年劣化で色味がくるってきてもキャリブレーションを行えば、また正確な色味で作業ができます。(付属もしくはオプションで売られているキャリブレーションセンサーを使用します。)

最低でも5万円出さないとまともなモニター環境が得られないだなんて思ってしまいがちですが、そんな事はありません。
確かにColorEdgeシリーズを買っておけば色々安心な所がありますが、もう少しお安くとも問題ないモニターもあります。

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スタンダードなFlex Scanでも十分いける

実際に私が使っているのは、EIZOでも一般的な用途向けのFlex Scan EV2450です。
現在はモデルチェンジしてFlex Scan EV2480になっているようですが、ほぼ同じ性能です。
ColorEdgeシリーズとの違いは、諧調が8bitまでの対応とハードウェアキャリブレーションには非対応という事です。
このモニターでプロとして写真の現像処理をしていて問題を感じていません。
初めからキャリブレーションして出荷されているので、購入してから色味がずれておかしいという感じもありません。
3万円台半ばから購入できるモニターですので、やや高く感じるかもしれませんが、安心をお金で買うというのであれば、これくらいのお金なら納得のいく金額だと思います。

sRGBまでしか対応していなくて大丈夫?と思ってしまう方もいるかもしれませんが、全く問題ありません!
出版・印刷関係だと多少の違いが出てくるかもしれませんが、写真と銀塩プリントを考えると、Adobe RGBには非対応な環境が多く、sRGBで十分なんです。
銀塩ミニラボ機は全部がsRGBの色域にしか対応していないので、Adobe RGBだと発色がおかしくなってしまったりします。
ですから、Adobe RGBだなんて対応していなくとも問題ないわけです。
もっと言ってしまうと、sRGBの色域全てが銀塩プリンターで表現できていません。
かなりの色域が表現しきれずに黒く潰れたり、白く飛んだり、似た別の色で表現されます。

EIZOのColorEdgeシリーズの様にモニター自体にキャリブレーションする機能がありませんが、市販のキュリブレーションツールを使用すればモニターの色味を保つことが出来ます。
キャリブレーションの重要性はページ下部にあるSpyderXの紹介記事を参照してください。

 

EV2480とEV2485の違いは、16:9と16:10の比率の違いと、輝度がEV2485の方が高いくらいの違いでしょうか。その違いで1万ちょっと違うのはどうですかね~


 

 


 

 

他のメーカーのモニターはどうなの???

EIZO Flex Scan EV2450を購入する前に、別の有名なメーカーのモニターを購入してみましたが、正直言って失敗でした。
sRGBの発色に対応しているとあったので、ある程度色味が正しいものだと勘違いして購入しましたが、想像していたものとは全く違って、正直言ってこんなモニターを出せるなんて信じられないような性能でした。
それから、sRGBやAdobe RGBに対応しているからと言って、発色が正しい訳ではないというのに気が付き、行きついたのがEIZOのモニターでした。

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BENQ SW240等のSWシリーズもハードウェアキャリブレーション対応のモニターで、工場出荷時に色味を合わせて出荷を行っているそうです。
5万円台とEIZOよりもややお安い値段で購入できます。
経年劣化で狂った色味は市販のキャリブレーションセンサーを購入する事で、正確な色味を維持できます。

 

市販のキャリブレショーンセンサーさえあれば、どんなモニターでも大丈夫なのではないか?
そう思ってしまいそうですが、実際にはそんな甘くなくて、モニターによっては補正しきれないほど狂っているモニターも存在します。
キャリブレショーンセンサーも2~3万円程するので、何も考えずにモニターを購入して、色味がおかしいからと言ってキャリブレショーンセンサーを追加で購入して、補正をかけてもやっぱりおかしいとなると、無駄な買い物になってしまいかねません。
だったら、初めから正しい発色のモニターを選ぶべきだと思います。

ノートPCの液晶モニターは自由に選べない上に、購入してみないと正確な色味なのかどうかがわからないなんて事があります。
色味がくるっていて作業にならないので、モニターは外付けで現像する方もいます。

 

 

モニターを購入したら、キャリブレーションツールもチェックしましょう。
定期的にキャリブレーションする事で、正しい色味を保つことが出来ます。

tokyophotostudio.hatenablog.jp

 

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