発売されたばかりのEOS M5を含む現行EOS Mシリーズ(M5、M3、M10)のスペックを徹底的に比較してみたいと思います。
EOS MシリーズはCANONのAPS-Cサイズのセンサーを搭載したミラーレスで、専用のEF-Mレンズの他、アダプターを使用する事で、ラインナップが豊富なEF、EF-Sレンズも使用できます。
EOS M10はMシリーズの入門機種。
旧ラインナップのM2をリファインしたスペックで、小型軽量で気軽に持ち出せる機種といった感じですが、コンパクトデジカメと違ってセンサーやレンズのサイズが大きいので、より高画質に撮影できる機種という事になります。
EOS M3は、Mシリーズではミドルクラスにあたり、コンパクトなボディに外部ストロボやEVF等の拡張性も持たせ、より使い勝手が良いように作られた機種です。
正面から見たサイズは、M10とほぼ同じですが、グリップ部分が出っ張っているので、その分大きく感じます。
M5は、この三機種の中で最新の機種で、9コマ/秒、CANONのデジタル一眼に採用されているデュアルピクセルCMOS AFの採用、最新の画像処理エンジンDIGIC7も搭載されるなど、Mシリーズのフラグシップ機としてふさわしい性能を持った機種となっています。
外観はEVFとストロボ部分が上部に出っ張って、一眼レフのような外観になっています。
スペック比較表
M10 | M3 | M5 | |
画素数 | 1800万 | 2400万 | 2400万 |
オートフォーカス方式 | ハイブリッド CMOS AF II | ハイブリッド CMOS AF III | デュアルピクセル CMOS AF |
EVF | 無し | オプション | 内臓 |
測距点 | 49点 | 49点 | 49点 |
シャッター | 1/4000~30秒 | 1/4000~30秒 | 1/4000~30秒 |
5軸手振れ補正 | 無 | 無 | 対応 |
内臓ストロボ | 有り | 有り | 有り |
外部ストロボ | 使用不可 | 使用可 | 使用可 |
連写速度 | 4.6コマ/秒 | 4.2コマ/秒 | 9コマ/秒(AF無) 7コマ/秒(AF有) |
連続撮影枚数 | JPEG(L)1000枚 | JPEG(L)1000枚 | JPEG(L)26枚 |
画像処理 | DIGIC 6 | DIGIC 6 | DIGIC 7 |
動画撮影 | Full HD30fps等 | Full HD30fps等 | Full HD60fps等 |
動画形式 | MP4(MPEG4) | MP4(MPEG4) | MP4(MPEG4) |
液晶 | タッチ対応3型 上方のみチルト |
タッチ対応3型 上下方向チルト |
タッチ対応3型 上下方向チルト |
無線LAN | ○ | ○ | ○ |
外部マイク | × | ○ | ○ |
バッテリー | LP-E12 写真255枚 動画1時間45分 |
LP-E17 写真250枚 動画1時間40分 |
LP-E17 写真295枚 動画1時間25分 |
重さ・大きさ (幅/高さ/奥行) |
301g 108/66/35 |
366g 110/68/44 |
427g 115/89/60 |
スペックの詳細を見ていきます。
画素数は、M10が1800万画素。
M3、M5は2400万画素。
Mシリーズは、デジタル一眼と違って、M、SサイズのRAWで撮影できないので、こだわって撮りたい人には、ちょっと使い勝手が悪い部分があります。
オートフォーカス(AF)はM5が群を抜いて、デュアルピクセルCMOS AFを搭載しています。CANONの一眼レフではEOS 70Dで初めて採用され、STM(ステッピングモーター)駆動のレンズでは高速かつ静かなAFが実現できます。
EVF(電子ファインダー)は、M10は無し、M3では外付け、M5では標準搭載となっています。明るい屋外では液晶画面が見づらくなって、像が分かりにくい事がありますが、EVFがあると環境光に影響されないので、とても見やすいというメリットがあります。
手振れ補正は3機種ともレンズ側の仕様に依存しますが、M5ではEF-M 15-45mmF3.5-6.3 IS STMとEF-M 18-135mm F3.5-6.3 IS STM等のコンビネーションISに対応したレンズでは、レンズ側の手振れ補正とカメラ側の電子手振れ補正の5軸手振れ補正に対応した動画撮影が可能です。
全機種内部ストロボが搭載されていますが、M10は外部ストロボが使用できません。
M3、M5はデジタル一眼レフ用の外部ストロボをそのまま使用できます。
連写速度はM5がAF有(サーボAF)で7コマ/秒、AF無し(ワンショットAF)で9コマ連写と群を抜いています。
M3とM10は画素数の違いからか、M10の方がわずかに連写が早いといった感じです。
動画はM5が唯一フルHDで60fpsに対応しています。
動画編集でスロー再生しても滑らかに見ることができるのが、60fpsで撮影した動画です。通常、TVなどで見るのであれば、30fpsでも問題ありません。
外部マイクは、M10が非対応。M3とM5は対応しています。
液晶は三機種とも可動式のタッチ液晶ですが、M10は上方にのみ稼動し、M3とM5は上下方向に動きます。
M3とM5は同じバッテリーを採用しているにもかかわらず、撮影枚数はM5の方が多く、また、動画は短くなってます。
デュアルピクセルCMOS AFはバッテリーの消費が激しいという事から、Mシリーズの採用が難しいのかもしれないとの噂もありましたが、撮影時間を大幅に下げずに製品化に漕ぎつけてきました。
この辺は、1DXIIや5DIVの開発でのフィードバックもあったのかもしれませんね。
M5はめぼしい機能が全部入りの、CANON待望のミラーレス。
私が、M3が出てからM2を買ったのも、M3にデュアルピクセルCMOSが搭載されていなかったから。
次にMシリーズを買うならM5にしようかと思います。