Canonの中級機EOS 80D、70D、7DMarkIIの三機種を徹底比較してみます。
70Dは2013年8月、7DIIは2014年10月に発売。
2016年3月発売予定の80Dは三機種に比べてどう変わったのか、検証してみます。
スペック比較
80D | 70D | 7DII | |
画素数 | 2420万 | 2020万 | 2020万 |
RAW | S、M、L有り | S、M、L有り | S、M、L有り |
ファイル名 | 変更不可 | 変更不可 | 変更可 |
ファインダー | プリズム 視野率100% 倍率0.95倍 |
プリズム 視野率98% 倍率0.95倍 |
プリズム 視野率100% 倍率1倍 |
オートフォーカス | 45点 | 19点 | 65点 |
測距輝度範囲 | EV-3~18 | EV-0.5~18 | EV-3~18 |
シャッター | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 |
ストロボ同調SS | 1/250秒 | 1/250秒 | 1/250秒 |
連写速度 | 7コマ/秒 | 7コマ/秒 | 10コマ/秒 |
フリッカーレス | ○ | × | ○ |
連続撮影枚数 | JPEG(L)77枚 | JPEG(L)40枚 | JPEG(L)130枚 |
画像処理 | DIGIC 6 | DIGIC 5+ | デュアル DIGIC 6 |
常用ISO感度 | ISO100~16000 | ISO100~12800 | ISO100~16000 |
ライブビュー | DP CMOS | DP CMOS | DP CMOS |
動画撮影 | Full HD30/60fps | Full HD30fps | Full HD30/60fps |
HDR動画 | ○ | × | × |
動画露出制御 | 自動/マニュアル | 自動/マニュアル | 自動/マニュアル 絞り/シャッター |
ヘッドフォン端子 | ○ | × | ○ |
液晶 | タッチ対応3型 バリアングル |
タッチ対応3型 バリアングル |
固定3型 |
記録メディア | SD | SD | SD/CF |
無線LAN | ○ | ○ | × |
GPS | × | × | ○ |
バッテリー | LP-E6N/LP-E6 写真960枚 動画1時間50分 |
LP-E6 写真920枚 動画1時間20分 |
LP-E6N/LP-E6 写真670枚 動画1時間40分 |
重さ・大きさ (幅/高さ/奥行) |
730g 139/105/78.5 |
755g 139/104/78 |
910g 148/112/78mm |
■画素数
70D、7DIIは2000万画素、80Dは2400万画素。
80Dは7DIIよりも下位機種ですが、トレンドに乗って画素数は上になっています。
高画素数=画質というわけではないので、この辺は気にしなくて良い点だと思います。
■RAW(保存形式)
3機種ともS、M、LサイズのRAWで保存できるようになっています。
2400万画素の80Dは、sRAWでも600万画素と、ちょっと大きめです。
■ファイル名
地味ですが、ファイル名を変更できるのは7DIIだけです。
カメラ2台で撮影すると、2台でファイル名がバッティングして困る事があります。
ファイル名を初めから変更できるのは、意外と便利ですよ。
■ファインダー
3機種ともペンタプリズムを使用しています。
80Dは視野率が100%となり、スペックアップしています。
■オートフォーカス
オートフォーカス(AF)の測距点(ピントを合わせるセンサー)の数の比較は7DIIが群を抜いています。
7DIIはEOS 1D Xの61点を超える新開発の65点のAFポイントを持ち、APS-C版の1DXともいわれるほどの高性能。
70Dは初代7Dと同じAFセンサーを搭載して、後に出てきたKissX8iや8000Dにも同じセンサーが搭載されていました。
80DのAFは7DIIまでとは言いませんが、45点とスペックアップしています。
■測距輝度範囲
AFが動作する明るさの限界値の事です。
これは、暗い場所でもAFが動作するというもので、例えば、ロウソクの暗い光の中でも迷わずにAFが使えるというものです。
測距輝度範囲は7DIIと80Dは-3EVに対応していて、フルサイズの6Dや1DXIIと同等の性能になりました。
■シャッター
シャッター速度は入門機種のkissと8000Dは1/4000、中級機の80D、70D、7DIIは1/8000です。
ピーカンの屋外の撮影では、アングルによってはシャッタースピードが早くなりがちなので、1/8000は欲しい所ではあります。
■連写速度
連写速度は、70D、80Dが7コマ、7DIIで10コマ。
7DIIは小さい1DXと言われるほどのハイスペック
■感度
70DはDigic5+でISO1600を超えると画質が低下していました。
80Dと7DIIはDigic6で一段上の感度も使えるようになっています。
■ライブビュー
ライブビューとは、カメラが捕らえた画像を液晶で確認しながら撮影できるモードです。従来のデジタル一眼レフは光学ファインダーを覗いて撮影していましたが、ライブビューでは液晶を見ながら撮影が出来ます。
ライブビュー時のAF動作は、70Dから導入されたデュアルピクセルCMOS(DP CMOS)が安定していて早いです。
人ごみで、前にいる人の上から撮影しなければいけないなんて事がある場合は、ライブビューの方が良いです。
7DII以外は液晶がバリアングルになっていて、いろんな角度から見る事ができて便利です。
ライブビュー時に液晶をタッチすると、その場所にピントを合わる事ができるので、動画の撮影も写真の撮影にも、タッチ液晶は本当に使い勝手が良いです。
(7DIIは固定式のタッチ非対応の3型モニタです)
■動画撮影
3機種ともフルハイビジョン(1920x1080)の動画撮影が出来ます。(4Kには非対応)
7DIIと80Dはフルハイビジョンで60fpsで撮影が出来ます。
編集時にスローモーションにした際に、より滑らかに編集できるのは60fpsで撮影したものです。
■HDR動画撮影
8000DからHDR(ハイダイナミックレンジ)の動画撮影に対応しましたが、この三機種では80Dのみの対応です。
明るく撮影した画像と暗く撮影した画像を瞬時に合成してして、階調豊かにしているようです。
ちょっと面白い機能です。
■動画露出制御
動画撮影時の露出制御は70D、80Dは自動露出かマニュアル露出しかありません。
自動露出はどんなモードで撮影しても、感度や絞りなどを自動で決めてくれるので便利なようですが、逆にこだわって撮影したいのならちょっと不便な機能です。
一眼レフならではの背景をぼかした撮影を行いたい場合は、絞り値を指定して撮影したいんですが、自動露出だとそれができませんでした。
マニュアルで絞りやシャッタースピードを調整して露出を制御して撮影が出来ますが、カメラをパンさせると露出が変わってしまう事もあるので、そうなると厄介です。
7DIIには絞りやシャッタースピード優先で動画の撮影ができるようになっています。
■無線LAN(Wifi)/GPS
無線LAN(Wifi)に対応しているのは70D、80Dで、7DIIは対応していません。
スマホと連携して画像を確認したり、シャッターを押す機能があります。
逆にGPSに対応しているのは7DIIだけです。スマホのように撮影位置情報を一緒に保存してくれます。
■バッテリー
3機種ともバッテリーは共通でLP-E6/LP-E6Nで(1800mAh/1865mAh)。
撮影枚数は、CIPA規格の数値です。
1/2回に内臓のストロボをフル発行をしています。
ですから、ストロボを使用せずに写真を撮影するだけなら、この数字よりもかなり撮れます。
■大きさ、重さ
80Dは70Dよりも若干軽くなっているようです。
7DIIは5DIII並みに重いボディです。
70Dの発売後に7DIIが出てきたときには、ずいぶんとスペックに差を空けられた感がありましたが、80Dの登場で差が埋まりました。AFや動画撮影時の露出制御などを考慮しなければ80Dはかなり健闘したスペックになってきています。
逆にバリアングルとタッチ対応液晶の使い勝手が良い80Dも捨てがたいです。
EOS 80Dの使用感は下記のリンクよりご覧ください。
*関連リンク
CANON EOS KissX8i、8000D、70D、7DII徹底比較-1-
CANON EOS KissX8i、8000D、70D、7DII徹底比較-2-