NikonのCOOLPIX B700とCANONのPowerShot SX60 HSを比較します。
両機種とも高倍率ズームレンズを搭載したコンパクトデジカメです。
(レンズは交換できない)
共通する仕様から2機種の特徴は・・・
見た目は小さな一眼レフと同じに見えますが、レンズは交換できません。
大き目なレンズが搭載されているので少し大きいですが、コンパクトデジカメの部類に属します。
小型の1/2.3型CMOSセンサーを搭載しているので、画質面ではスマホよりもやや良いという感じで、デジタル一眼やミラーレス一眼に比べるとかなり落ちるという性能。
イメージセンサーの大きなデジタル一眼の方が、高感度の画質はノイズが少なくて良いです。
小型のセンサーに合わせた専用設計の高倍率ズームレンズを搭載することで、広角から35mmフィルム換算で1000㎜以上の超望遠までをカバーしているのが特徴。
レンズ交換式のデジタル一眼で1000mm以上というとかなり巨大なレンズになり、価格もとんでもなく高くなりますから、そんな性能のレンズを低価格で使用できるというメリットは高いです。
マクロモードでは、レンズの目の前のものを撮影できるほど近づいて撮影ができます。
スマホや普通のデジカメと違って、電子式のファインダー(EVF)を内蔵しているため、明るい昼間の屋外等での視認性が良く、白く飛んでしまって液晶が見えないなんて事がありません。
液晶は3型のバリアングル方式で、液晶の角度を変えて撮影ができます。
ハイアングル、ローアングル、自撮りなど、多くのシーンで役に立ちます。
レンズ込みで500~600g台と小型軽量の割に、高倍率ズームレンズを搭載していることから、スマホでは役不足と感じる場合の撮影機材としてお勧めできます。
■COOLPIX B700、PowerShot SX60 HS両機種のスペック表
COOLPIX B700 | PowerShot SX60 HS | |
画素数 | 2000万 | 1600万 |
レンズ | 24-1440mm相当(60倍) | 21-1365mm相当(65倍) |
撮影距離 | 1cm~∞ | 0cm~∞ |
レンズ解放F値 | F3.3-6.5 | F3.4-6.5 |
手ブレ補正 | 約5段 | 約3.5段 |
シャッター | 1/4000~30秒 | 1/2000~15秒 |
連写速度 | 5、2枚/秒(120、60) | 6.4/秒 |
ファインダー | EVF | EVF |
内臓ストロボ | 有り | 有り |
外部ストロボ | 使用不可 | 使用可 |
動画撮影 | 4K 30fps等 | Full HD60fps等 |
動画形式 | MP4(MPEG4) | MP4(MPEG4) |
液晶 | 3型 バリアングル |
3型 バリアングル |
無線LAN | ○ | ○ |
バッテリー | EN-EL23 写真420枚 動画1時間30分 |
NB-10L 写真340枚 - |
重さ・大きさ (幅/高さ/奥行) |
570g 125/85/106.5 |
650g 127.6/92.6/114.3 |
発売時期 | 2016/10 | 2014/10 |
Nikon COOLPIX B700とCANON PowerShot SX60 HSの比較
今度は、実際に2機種の性能差を見ていきます。
画素数は2000万画素と1600万画素で、B700の方が2000万画素と多いですが、画素数が画質の差になるわけではないので、この辺は無視できるでしょう。
レンズ性能は、B700は35mmフィルム換算で24~1440mmと、広角から超望遠までをカバーする60倍ズームレンズ。
それに対して、SX60 HSは、21~1365mmの65倍ズームレンズになっています。
デジタル一眼レフの標準ズームでも28~24mmスタートであることから、24mmでも十分広角といえますが、特筆すべきはSX60 HSの21mm。
21mmというと、広角レンズでしか撮影できないような画角であるため、あえてゆうなら超広角をカバーしているレンズとなります。
望遠側の1440mmと1365mmは正直あまり差を感じないのではないかと思います。
手振れ補正の性能は5段とB700の方が性能は上です。
SX60 HSは、CANONのEOSシリーズで使える外部ストロボが使用できます。
内臓のストロボは光量が小さいですから、暗い場所での記念写真などには便利です。
シャッタースピードはB700が1/4000まで、SX60 HSが1/2000までです。
ピーカンの明るい昼間だとシャッタースピードが早くないと白く飛んでしまうようなシーンが出てきますが、レンズが暗いのでそれほど気にならないか・・・といった感じでしょうか。
連写性能はB700が5コマ/秒。SX60 HSが6.4コマとなっています。
B700の120コマ/秒は、640x480ピクセルに限定されるモードなので、おまけ的な機能として考えた方が良いでしょう。
動画撮影は、B700は4K撮影に対応しているのが特徴です。
SX60 HSのハイビジョンよりもよりより高精細で記録できます。
最近のデジカメは動画も撮れるので、カメラとビデオと両方持ち出さなくとも済むので、便利になりました。
CIPA基準の撮影枚数はB700が420枚、SX60 HSが340枚とB700の方が上です。
これは、広角と望遠にズームさせ、1/2回のストロボ発光を行って測定しているものなので、ストロボやズームを多用しなければ実際にはもっと撮影できます。
Nikon COOLPIX B700とCANON PowerShot SX60 HSの総括
両機種とも同じユーザー層を狙った機種で、似た性能を持っています。
広角から超望遠まで、デジタル一眼のようにレンズを交換せずに使用できるのはとても便利といえるでしょう。
ただ、画質面でいうとセンサーが小さいため、高感度になると急に画質が悪くなります。
夜の撮影、屋内の撮影では、ブレないために高感度の撮影が必要になってきますが、感度を上げるとノイズが目立ちだします。
画質を気にするのであれば、ミラーレスやレンズ交換式のデジタル一眼を選ぶべきです。
また、高倍率ズームレンズのデメリットとしては、オートフォーカスが遅く精度が悪い事。
動く被写体を撮影するのはデジタル一眼の方がはるかに早いのが現状です。
B700は2016年10月、SX60 HSは2014年10月の発売で、発売時期が2年違います。
B700は元々2016年の春に発売になるはずの機種でしたが、Sonyの熊本にあるセンサー工場の被災で発売が半年も遅れてしまった機種。
実際には1年半の差がある程度でしょうか。
どちらにしても、センサーや画像処理周りで1世代位の差があります。
デジタル関係の機器は新しい方が良いとは言いますが、このクラスのデジカメの1世代位の差ならばわずかな差で、大幅に違うという事はないはずです。
(わずかにB700の方が性能が上)
私的に両機種の良い所を一言でいうと・・・
5段の手振れ補正と4K動画に対応のB700
21mmの超広角が魅力のSX60 HS
となります。
もっと画質を求めたり、ボケを生かした写真ならではの撮影を楽しみたいならば、CANONのEOS M10といったミラーレス一眼やレンズ交換式デジタル一眼がおすすです。
こちらもオススメ