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CANON EOS 80D、9000D、Kiss X9i徹底比較

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CANON EOS 80D

EOS 80D、9000D、Kiss X9iの三機種を徹底的に比較してみたいと思います。
三機種ともCANONの入門から中級機に位置するAPS-Cサイズのセンサーを搭載したデジタル一眼レフで、共通した仕様は2400万画素Dual Pixel CMOS、45点AF、3型バリアングル液晶で、連写枚数も6~7枚/秒と似通った性能を持っています。
一見同じような性能なので、何がどう違うのかわからず、どれが一番自分に合った機種なのか判断が付かないという声も出ています。
ここでは3機種の違いを見ていきたいと思います。

 

■EOS 80D、9000D、Kiss X9iの概要

EOS 80DはCANONのラインナップでいうとミドルクラスにある中級機です。
下位機種にはEOS 9000DやKiss X9iといったエントリー向けの機種があり、上位機種にはEOS 7D Mark2やEOS 6D Mark2等があります。
EOS 9000Dは中級機と入門機の間にある機種で、EOS Kiss X9iとほぼ同等の性能を持ちながら操作性は上位機種の80Dや6Dと似た操作ができるのが特徴です。
EOS Kiss X9iはこの三機種の中では一番エントリー向けの機種ではありますが、エントリー向けの機種はKiss X80やX9もあり、エントリー向けの機種でありながらもう少し高性能寄りの機能を持ち合わせた機種となっています。

■EOS 80D、9000D、Kiss X9iスペック表

3機種の大まかなスペックを比較していきます。

  80D 9000D Kiss X9i
素数 2420万 2420万 2420万
対応レンズ EF、EF-S EF、EF-S EF、EF-S
記録メディア SD、SDHC、SDXC SD、SDHC、SDXC SD、SDHC、SDXC
RAW S、M、L有り Lのみ Lのみ
ファインダー プリズム
視野率100%
倍率0.95倍
ミラー
視野率95%
倍率0.82倍
ミラー
視野率95%
倍率0.82倍
オートフォーカス 45点 45点 45点
AFマイクロ
アジャストメント
× ×
シャッター 1/8000~30秒 1/4000~30秒 1/4000~30秒
露出制御 約7560画素
63分割TTL開放測光
約7560画素
63分割TTL開放測光
約7560画素
63分割TTL開放測光
常用感度 100~16000 100~25600 100~25600
ストロボ同調SS 1/250秒 1/200秒 1/200秒
連写速度 7コマ/秒 6コマ/秒 6コマ/秒
連続撮影枚数 JPEG(L)77枚 JPEG(L)190枚 JPEG(L)190枚
フリッカーレス
画像処理 DIGIC 6 DIGIC 7 DIGIC 7
ライブビュー DP CMOS DP CMOS DP CMOS
動画撮影 Full HD30/60fps Full HD30/60fps Full HD30/60fps
動画露出制御 自動/マニュアル 自動/マニュアル 自動/マニュアル
ヘッドフォン端子 × ×
液晶 タッチ対応3型
バリアングル
タッチ対応3型
バリアングル
タッチ対応3型
バリアングル
Wifi
Bluetooth ×
防塵防滴性能 × ×
バッテリー LP-E6N/LP-E6
写真960枚
動画1時間50分
LP-E17
写真600枚
動画1時間55分
LP-E17
写真600枚
動画1時間55分
重さ・大きさ
(幅/高さ/奥行)
730g
139/105.2/78.5mm
540g
131/99.9/76.2mm
532g
131/99.9/76.2mm

 

■EOS 80D、9000D、Kiss X9iスペックを比較

似通った性能を持った機種ですがスペック比較表をみるとそれぞれの機種の違いが見えてきます。
2400万画素のAPS-Cサイズのセンサーを持ったデジタル一眼レフで、EF・EF-Sマウントレンズが使用できます。
記録にはSDカードが使用でき、45点AFや約7560画素RGB+IR測光センサーによる63分割TTL開放測光、3型のバリアングル液晶等多くの部分で共通のスペックを有しています。
特にEOS 9000DとKiss X9iはカメラの外観以外はほぼ同等の性能で、姉妹機種とも言えます。

■EOS 80Dの優位点

EOS 80Dの優れている部分は、明るく見やすいファインダー。プリズムを使用したファインダーは像が大きく見やすい特徴があります。
感度設定が1/3段でできるため、細かい設定ができます。
ISO1600から一段上のISO3200まで上げてしまうとかなりノイズが増えますが、その中間のISO2000やISO2500等も使用できるので、細やかなノイズのコントロールができます。
シャッタースピードが1/8000まで対応しているので、屋外で絞りを開けて撮影したいときにも安心して撮影ができます。
地味な機能ではありますが、RAWをS、M、Lサイズから選んで記録できます。2400万画素のRAWデータは処理が重いですし、容量も大きくなりますが、S、MサイズのRAWは比較的軽く、後処理が楽になります。
ソフトシャッターモードがあり、撮影時のシャッター音が静かです。全く音が出ないという訳ではありませんが、静かな環境下でもシャッター音が目立ちにくいです。
AFアジャストメントに対応しているので、メンテナンスに出さなくともレンズ毎にピントの微調整を行う事が出来ます。
動画撮影時にヘッドフォンが使用できるため、音声が正常に記録できているかどうかをモニターしながら撮影ができます。
防塵防滴性能があるため、多少雨にぬれても安心です。
撮影枚数がCIPA規格で960枚とバッテリーを気にせず沢山の撮影が可能です。

■EOS 9000D、Kiss X9iの優位点

それに対して、EOS 9000D、Kiss X9iの優れている部分は、後発の機種であるのでメカ的な部分というよりは、画像処理がDigic7となり高感度画質や連続撮影枚数が向上しています。
高感度画質に関してはCMOSセンサー性能の向上というよりは、Digic7によるノイズの処理性能の向上で実現したと想像できます。
ですが、CMOSセンサーの世代が変わって大幅な進化がない限り、実質使い物になるISO1600~3200位の画質はそれほど大きく違いません。
連続撮影枚数も6コマ/秒とEOS 80Dの7コマ/秒よりも少なくなり、更にDigic7の処理性能が向上して実現した数値だと思います。
Bluetoothによるスマホやコントローラーとの接続が可能になり、より省電力に連携できるようになりました。
EOS 80Dに比べるとバッテリー容量が少ないため、どうしても撮影枚数は少なくなってしまいますが、その分小型・軽量になっています。

■EOS 80D、9000D、Kiss X9iの操作性の違い

CANONのEOSシリーズは大きく分けると3系統に操作性がわかれます。
入門クラスのEOS Kissシリーズ、カメラ背面のサブ電子ダイヤルが増えたミドルクラスの機種、更にマルチコントローラーが増え操作性にが向上した上位機種となります。
EOS 80D、9000Dは、ミドルクラス以上の機種に共通した、背面のサブ電子ダイヤルがあり、撮影時の設定をメインダイヤルとサブ電子ダイヤルでコントロールできます。
モードダイヤルは左肩にあります。
EOS 80D、9000Dの外観上の相違点は、ボタンの数で、EOS 80Dの方がボタンが多く、設定したい項目に素早くアクセスできるメリットがあります。
それに対してEOS Kiss X9iはモードダイヤルが右肩にあり、上部液晶が省略され、撮影時の設定は基本的にはメインダイヤルで行います。
ボタン類も少なく、設定するにはメインメニューやクイック設定ボタンから呼び出す必要があり、設定する項目によってはワンアクション多く操作する必要があります。
操作性はEOS 80D>EOS 9000D>EOS Kiss X9iとなっています。

 

■総評

2400万画素、45点AF、6~7コマ連写とぱっと見ほぼ同等の性能を持ち合わせる三機種です。
何を撮りたいのか、カメラに何を求めているのかによって選ぶべき機種は違ってくると思いますが、とにかく安くというのであれば、EOS Kiss X9iがコストパフォーマンスに優れています。初めての購入で、操作性も気にならず、最初の一台として購入するなら問題ない機種といえます。
EOS 9000DはKissシリーズからのステップアップや安く中級クラスの操作性のカメラを使いたい方向けの機種といえます。
EOS 80Dと9000Dは似通った外観・スペックで後発の9000Dの優位点があるようにも思えますが、実際の操作性や使い勝手を考えると断然80Dの方がよいと言えます。
3機種の中で唯一ガラスのペンタプリズムを使用した像が大きく見やすいファインダーも特徴。操作性は使って行けば慣れる部分ではありますが、ファインダーのように固定した部分はどうにもなりませんから、長く使って行きたいならより良い方がいいと思います。
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