Photoshop、Illustrator、Premiere PROを代表するAdobe Creative Cloudと言ったら、色々な業界で標準的なアプリケーションとして知らない人はいない位です。
出版、Web、写真、動画編集などと言った分野に関係のない方でも、Adobe Acrobatやそのファイル形式のPDFというはご存じではないでしょうか。
いろんな分野で使われているアプリを提供しているのがAdobeのアプリケーションのアップデートについて取り上げたいと思います。
Photoshop、Illustrator、Premiere PRO、Acrobatなど多くのアプリは単体でも提供されていますが、セットになったAdobe Creative Cloud(Adobe CC)もあります。
そういったAdobeのアプリの大半は、サブスクリプション版になっています。
契約の種類はいくつかあって、以下の通りです。
月々プラン(月々払い)
手軽に1月単位で契約できるプランで、いつ契約を終了しても構いません。
1~2カ月などの短期間だけ使用するなら一番お安くなります。
年間プラン(一括払い)
1年間の使用料を先に一括払いして使用するプランです。
料金的には一番安いですが、途中でやめたくても料金は返金されません。
年間プラン(月々払い)
1年間使い続けることを前提で、料金を毎月払うプランです。
料金をまとめて支払わないので、気軽に毎月の支払いで利用できるメリットがあります。
また、途中で解約する場合は、残りの月の半額が解約金として請求されるので注意が必要です。
アプリやプランによっては月々プランがなく、年間プランしかないものもあります。
また、銀行振り込みやカード払いといった支払い方法もプランによって変わってくるので、購入時に確認が必要です。
サブスクリプションのメリット
サブスクリプションは定額の料金で一定の期間利用できるというスタイルの契約です。
これまでは、PhotoshopやPremiere等のアプリは1本十数万円出して購入したり、アプリがセットになったものを二十~三十万円位払って使用するといったものでした。
それが、サブスクリプションで1月数千円からの定額になりました。一度に10万円以上の金額を用意しなくて済むわけですから、お金がなくて初期投資ができない方でも気軽に使えるようになりました。
また、契約期間中にリリースされたメジャーアップデート、マイナーアップデートは追加料金なしに使用できます。従来は、メジャーアップデートは有料になっており金額はまちまちですが、10万円のソフトは2.5万円くらい支払ってアップデートを行っていました。
アップデートが出来るバージョンも過去2バージョン等と期限を設けられていたので、アプリを維持していくには、定期的に有償アップデートが必要でした。
ですから、買い切り版ならお金がかからなかったわけではないのです。
Adobeのアプリの開発スタンスとアップデート
Adobeの主要な製品は秋に開催されるAdobe Maxというイベントで新バージョンが発表(メジャーアップデート)されます。(2022年は10/19)
月々プランや年間プランで定額で料金を支払っているアプリに関しては、アップデートそのものは無料です。ユーザーの好きなタイミングで新しいバージョンを使えます。
メジャーアップデートが行われると、約8週間隔でマイナーアップデートが行われます。
マイナーバージョンアップが行われるたびに、新機能が追加になったり、バグ修正が行われて徐々にアプリの完成度を上げていきます。
こういったAdobeが取り入れている開発手法をアジャイル型の開発と呼びます。
アプリの完成度が上がるというのは、最初にリリースした状況では最終的な仕様として投入せずにユーザーに使ってもらい、フィードバックを受けながら完成度を上げていくという手法で開発を行っているようです。
ですから、メジャーアップデート直後はバグが多く使い物にならないという声もあります。
Mac OSの存在
更に重なるのがMac OSのメジャーアップデートです。
Mac OSも秋にメジャーアップデートが行われますが、当然のことながらこちらにもバグが存在します。
OSとアプリを最新版に更新してしまうと、OSのバグとアプリのバグの両方の影響でまともに使える環境ではなくなってしまうというのがあります。
Mac OSのリリース前のβ版で事前にデバッグが出来るでのでは?というご意見もありますが、バグがあるOSに合わせてむりやり開発してしまうと、古い環境では動かなくなる可能性があります。
Adobeとしては向こう1~2年は同じバージョンを使っていきたいでしょうから、OSのバグ修正も進まないと、アプリ側の修正も進まない実情があります。
そもそもの話ですが、秋に出たばかりのOSには、正月の段階ではアプリがまだ正式には対応していません。
Adobeのサイトにも、
「重要な作業を行っている場合は、プロジェクトが完成するまで待つことおすすめします」
という記載があります。
Adobe のアプリと macOS 13 Ventura の互換性
GPUの存在
単純にOSとアプリの関係だけでなく、最近のアプリの傾向でGPUも使われています。
最近のモニターはかなり大きいので、実際に処理する前のプレビューを高速で描画するためにGPUを使用していたりします。また、画像の中の人物や空などを高速に判別するためにもGPUを使用して処理速度を上げているようです。
インストールされているグラフィックドライバーによっては、不具合がでてしまう事もあります。
OS、アプリ、GPUの一つでも不具合があればバグとして出てしまう事があるので、不具合の原因特定が難しくなっている原因でもあります。
新バージョンへの推奨される移行時期
いつになったら安定したバージョンになるのかというのは、アプリごとや使う機能によって違ってきてしまうんだと思います。
8週でマイナーバージョン(0.1)上がるので、0.2や0.3上がる16週か24週の2月や4月頃にリリースされるバージョンには期待が持てると思います。
いち早く新しい機能を使いたいなら、バグを覚悟で新しいバージョンをインストールして使用するのが良いのかもしれません。
逆に仕事などで安定したバージョンを使用したい場合は、メジャーアップデート後4~6ヶ月は待った方が良いのではないかと思います。