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Canon EOS R6、R6 MarkIIを使った感想

2022年10月にEOS R6を1台、翌年2023年1月にEOS R6 MarkIIを追加で一台購入して仕事で使用しています。
両機種を使った感想をまとめたいと思います。

 

 

 

これまで一眼レフのEOS 5D Mark4を二台体制で撮影の仕事をしてきました。
レンズは、24-70mm、16-35mm、70-200mmが中心で、単焦点も使う事はありますが、ほぼこの三本で済ませてしまうことが多いです。
同時にすべての機材を買い替えてしまうのはお財布的に厳しいので、レンズはアダプターを使ってEFレンズを使用しています。
Canon純正のEF-Rマウントアダプターは、使用制限がないので今のところ問題なく使用出来ています。


ボディは一眼レフの様にミラーがないので、5D系よりも一回り小さいですがしっかりとしたグリップがあり握りやすです。
グリップが小さすぎると長時間撮影する際に指先でボディを掴むように持つことになって疲れてきますが、てのひらでホールドするように持てるので疲れにくいというメリットがあり好印象です。
撮影モードなどのダイヤルが背面から見てボディの右側にあり、5Dにあった上部の液晶が省略されています。
5Dでは撮影後に撮影した画像を背面液晶に表示する位で、撮影時はほぼ使っていませんでしたが、R6、R6IIには上面の液晶がないので撮影時の設定は背面液晶画面に表示しています。
Qボタン(クイック設定ボタン)を押すと、色温度やAFモード、連写枚数等をすぐに変更できます。
撮影時はEVF(電子ファインダー)が中心で液晶画面を使用したライブビューの撮影はあまりしていません。

素数はEOS R6が約2000万画素、EOS R6 MarkIIが約2400万画素です。
2000万画素だと長辺が約5500pxになり5000pxで納品する場合は、画素数がギリギリでトリミングの余地がありません。2400万画素だと長辺が6000pxになり、もう少し余裕ができるので、画素数的にはこちらの方がいいです。
R5は約4500万画素なので、こちらの方がいいのでは?というのもありますが、現像処理も重くなるので、撮影件数をこなすのであれば画素数は少ない方が理想的です。

 

ミラーレスのR6、R6IIで大きく変わった部分にAF(オートフォーカス)があります。
5Dでは精度の高いワンショットが基本で、中央近くのF2.8に対応した精度の高いAFフレームを中心にピント合わせを行っていましたが、R6、R6IIでは基本的にはどこでも高精度にAFが合う上に、人物の瞳や顔を認識してピントを合わせる事もでき、ピント合わせは非常に楽になりました。
ワンショットではなくてサーボが中心です。
ただし、サーボはピントが合っていなくてもシャッターが押せてしまうので、止まっているものや小さいものを撮影する場合は、ワンショットに切り替える事もあります。
初代EOS Rで省略されたマルチコントローラーはEOS R5、R6で復活し、以降の中~上位機種には搭載されています。AFフレームを素早く選択して撮影できるので、必須の機能です。

 

背面側から見て右上のサブ電子ダイヤル2で、直接ISO感度の設定が出来て非常に便利です。
マニュアル露出で撮影している際に、照明が変わって明るくなったりしたら、すぐにダイヤルを回して感度を変更しながら撮影が出来ます。
デジタル一眼レフでは一度撮影してみないと露出が確認できませんが、ミラーレスだとリアルタイムに露出が確認できるので非常に撮影が楽になりました。

 

ISO感度は最高102400まで対応。
露出が取れていればISO12800でも十分綺麗に撮影できます。
屋内のスポーツイベント等で感度を上げてシャッタースピードを稼がないといけない場合には、ISO12800以上に上げて撮影する事もあるので、高感度で撮影できるR6、R6IIは非常に便利です。

 

 

 

ミラーレス機のメリットも沢山ありますが、当然デメリットも存在しています。
それはバッテリーの持ちの悪さです。
一眼レフはミラーやシャッター、AFセンサー、AEセンサーなどが動作しても消費電力は小さいものでしたが、ミラーレス機はイメージセンサーで撮影した映像を元にAF、AE等を行っているので、センサーで映像を捉えている間の消費電力が大きくなってしまいます。
冬場の屋外のスポーツイベントで、1~2時間で内蔵バッテリーを使い切り、このままR6で撮影し続けたら最後まで撮影できないと思い、予備で持って行った5Dで続きを撮影した経験もあります。
EOS R6 MarkIIは省電力対策がされており、感覚としては1.2~1.5倍位は持つような気がします。
ファインダー、液晶に映像が表示される時間が短くなっていて、液晶のバックライトが消えて暗くなると、表示される映像のフレームレートが少なくなるといった、省電力対策がされているようです。

 

EOS R6、R6IIはシャッター幕を使用したメカシャッター(標準では電子先幕)と電子シャッターが選べ、電子シャッターはシャッター幕を使用しないためシャッター耐久に影響せずほぼ無限で撮影できます。夢の撮影機能と思いきや、電子シャッターではフリッカーフリー撮影ができません。
照明のない屋外の撮影だと電子シャッターでも問題ないですが、屋内の撮影では使用できる場所が限られます。
電子シャッターの連写枚数は、R6は20コマ/秒、R6IIは最高40コマ/秒となっています。
R6は電子シャッターでは20コマ/秒固定で変更が出来ません。
R6IIは、40、20、5コマ/秒から選んで撮影が出来ます。
できたら、撮影対象に合わせて10コマ、7コマ/秒等と変更ができるともっと嬉しいです。
シャッター耐久に影響が出ないとはいえ、撮りすぎると後処理が大変なので、その辺も考慮した設計にして欲しいです。

 

まとめ

約半年間EOS R6、R6 MarkIIを使ってきました。
両方の機種を使った感想としては、AF精度が高く瞳、顔認識が使用できるので、撮影が楽になりました。フォーカスが合えばその後は勝手にトラッキングしてくれて、サーボAFに設定していればフォーカスを合わせ続けてくれるのでこれだけでもミラーレス機を使う理由は有ります。
一方、バッテリーの管理は今まで以上にシビアになりましたが、モバイルバッテリーも使用できるので、長時間の撮影では内蔵バッテリーの他にモバイルバッテリーも併用しています。


一眼レフのEOS 5D、6Dでは、単純に5Dの下位機種が6Dという位置づけでしたが、EOS R5、R6系では画素数が多く高性能なR5と、画素数は少ないですが高感度での撮影にも対応しているR6という位置づけで展開しているので、必ずしもR5の方が良いというわけでもないのがわかります。
あとから発売されたR6IIの方がAF関係は進化しているので、画素数さえ問題なければR5よりR6IIの方が用途的に適していることもあります。

 

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